こんにちは、はとぽです。
つい先日、人生2度目の転職活動を終えたアラサーの女です。
突然ですが、皆さんは無職になったことはありますか?
日本の若年層(15~34歳)の無業者率は2%台なので、今の質問に「はい」と答える人は少ないかもしれません。そして「自分には関係ない・あり得ない話だ」と思う人も多いかもしれませんね。
わたしもそう思って人生を30年生きてきた1人でした。
「でした」──そう、過去形です。
わたしは「強いビジネスパーソン」に憧れてバリバリ仕事に励んだ結果、メンタルを病み、(あると思っていた)人生のレールから転げ落ち、2年近く無職になりました。※休職1年+無職10ヵ月
「人生オワタ\(^o^)/」と思ってヤケクソモードに入っていたわたしでしたが、いざ転職活動(「就職活動」のほうが正しい?)を始めてみると……
・活動開始から1ヵ月以内に終了
・2社から内定獲得(最終面接は4社実施)
・正社員で希望の職種・勤務地の仕事が叶う
・前職より月収増
・前職よりも残業時間減
人生オワりませんでした。
オワるどころか、想像していた100倍スムーズに、良い着地ができました。
転職大成功自慢をするためにこの記事を書いているのか?いいえ、もちろん違います!
わたしがこの記事を書こうと思った理由は1つ。
今、しんどくてたまらない、頑張り屋さんな誰か(あなた)へ
「休んでも大丈夫だよ」と伝えるためです。
真面目なあなたは逃げ場がないと感じていることでしょう。
そもそも逃げてはダメだと感じていることでしょう。
仮に逃げたとしても、生きていけないと不安に思うでしょう。
わたしがそうだったのでその絶望感と不安はよくわかります。
「“みんな”大丈夫、なんとかなる」と楽観的なことを言うつもりはありませんが、少なくとも「“わたし”は大丈夫だったよ」ということを伝えたいと思います。わたしの経験から、少しでも「大丈夫かも」という安堵を感じてもらえて、つらく苦しい現状から踏み出す一助になれたらとても嬉しいです。
さて、仕事を休みたい(休職したい)・辞めたいと考えたときに付きまとう不安といえば、
「収入ゼロでは生きていけない」
「キャリアに傷がつきそう」
「会社に迷惑をかけてしまう」
……こんなところではないでしょうか。実際、わたしが休職する際に不安だったことでもあります。
この記事では、これらの不安を解消しながら、わたしが思う「休んで大丈夫だった理由」を書いていこうと思います。
大丈夫大丈夫~!ゴリ押しではなく、
・休職して/無職になって困ったこと
・キャリアブランク明けの転職活動をうまくやれた勝因
このあたりも伝えたいと思うので、最後まで読んでいただけたら嬉しいですᕦ( ˘ᴗ˘ )ᕤ
※当ブログで紹介している内容は、管理人の経験に基づく個人的な見解です。キャリアや福祉の専門家によるアドバイスではありませんので、休職・離職の判断をされる際には、ご自身の状況に合わせて参考にしていただければ幸いです。
どうして休職・無職になった?〜休職に至った経緯〜
まず、わたしがなぜ休職し無職になったか軽く話しておきたいと思います。
興味ない方はスキップしてどうぞദ്ദി ῀ᢦ῀ )
前職を特定されては困るので少々ボカしますが、わたしは機械メーカーの海外営業職をしておりました。
元々激務だったのですが、東南アジア某国での駐在が決定し「これで上司の監視から逃れてのびのび仕事できるぜ♪」と期待したのは束の間。実際に赴任してみるとまさかの激務加速。
24時間営業のシェアオフィスが文字通り「働き放題」の環境を助長し、最長で深夜2時まで仕事をすることもありました。毎日夜遅くまで働き、休日も仕事を消化し、残業時間でいうと月100時間超えてたと思います。ほぼサビ残なので記録してませんが……。
激ヤバ上司と激務への呪詛だけで記事1つ余裕で書けるほど「色々あった」のですが、とにかく心身ともにいつも疲弊していて、いよいよ体調の異変が現れ始めました。
・胸に大きな槍が刺さっているように息苦しい
(よくわからない例えかもしれませんが、わたしはこう感じてました)
・勝手に涙がボロボロこぼれてくる
・パソコンの前で脳がフリーズして手が動かない
・疲れているのに眠れない
・過食(これは赴任前からずっとあったが悪化)
・車にはねられて動けなくなりたいという願望を感じる
上司に助けを求めたところ
「はとぽさんは努力が足りないんじゃない?自己啓発書を読みなさい」
と一蹴。何かがプツンと切れる音がしました。

とにかく今自分が正常ではないことを誰かに証明してほしくて病院を調べ、日本の心療内科のオンライン診察に辿りつきました。初診の予約はすぐに取れないことは心療内科あるあるですが、即日で診てくれる病院に飛びつきました。
オンライン診察は問題点もあるので、日本にいるのであれば最寄りの心療内科を予約することをおすすめします。わたしは実際に困ったので、また機会があれば別途書きたいです……
そして下された診断は……
「適応障害」
まぁ思った通りでした。
その夜「体調がおかしいのでしばらく休ませてほしい」と診断書を添付して上司へメール送信。
診察を受ける前から毎日考えていたことですが、この日この時は人生で一番「一度立ち止まってしまえばもう取り返しがつかないぞ」と思いました。これまで頑張ってきた日々や、積み上げてきた仕事が走馬灯のように脳内を流れ……これほど送信ボタンを押すのに緊張したのは初めてでした。
メールを送った翌日からすぐに1ヵ月の休職が決まり仕事を休みました。

この時点では少し休んで復職しようと考えていたのですが、その後いろいろな理不尽が重なり、会社への信頼が底をついたため結局退職することにしました( ‘ᴗ’ )ノ⁾⁾
・休職→退職に至るまでの経験
・休職→退職→転職までに2年もかかった理由
これらは長くなりそうなのでどこか別の機会があれば話そうかなと思います(笑)
休職→退職→転職のタイムラインはこんな感じです☟

休職開始してから1年間は一応会社に在籍していたものの、仕事はしていない状態だったので、翌々年に転職するまで1年10ヵ月もの間実質ニートだったということがポイントです(;⌣̀_⌣́)
休職した時には「金銭面で詰む、キャリアも崩壊する』」と覚悟していましたが、実際なんとかなりました。それではその「なんとかなった」理由について話していきましょう!(ようやく本題……)
休職しても大丈夫な理由①:収入ゼロにはならない
「休んだら生活できなくなるのでは?」──そんな不安をまず解消します。傷病手当金や失業手当金など、公的な制度を活用すれば無収入になる心配はありません。
わたしが無職の間、友人たちから「どうやって生活してるん?」とよく聞かれました。あまりに普通にオタクしていた(グッズ買ったり遠征したりしていた)ので不気味不思議に思われていたことでしょう。
わたしが金銭的に「大丈夫だった」理由は3つあります。
① 手当金を受けられた(生活費は概ね確保できる)
② 実家に戻ることができた(家賃が浮く)
③ 貯金がそこそこあった(趣味を続けられる)
わたしの場合は①②③全て満たすことができたので、ほぼ不自由なく、趣味もほぼ制限することなく生活できました(生活費をほぼ負担して実家に置いてくれた家族の温情に感謝……)。
仮に①②だけだったら、趣味の支出をかなり制限した上でなら生活できたと思います。
そして、もし①だけだったとしても、節約すれば生活できたと思います。
実家と貯蓄の有無は個人差あれど、ほとんどの人は①の条件を満たすことはできるので、収入ゼロで休むことにはならないし、金銭面の不安はあまり抱えなくていいように思います。
それでは「手当」について少し詳しく見ていきましょう!⊂( ᐢ꒳ᐢ)⊃
結論から言うと、だいたいの人は2つの「手当金」を受け取ることができます☟
・ 傷病手当金
・ 失業手当金(雇用保険の基本手当)
これらを両方受給することによって最長1年9ヵ月の間、生活費を得ることができます。
人によって条件が変わったり注意点もあったりするので「だいたいの人は」と前置きしました。これら2つの手当金の注意点を軽く解説しますね。
休職中にもらえるお金:傷病手当金とは?
・病気やけがで働けなくなったときに健康保険から支給される制度
・同一の傷病に対して、支給開始日からカウントして(※) 最長1年6ヵ月受けられる
・勤続年数は関係なく、入社したばかりでも健康保険に入っていれば支給対象
・休職せず退職しても受け取れるが、その場合は在職期間が1年以上ないと受け取れない
※つまり、途中で回復して職場復帰しても、その後再度同じ傷病で働けなくなった場合は、残りの期間だけ受け取れるということです。

「医師の証明により労務不能と判断されていること」も支給の条件なので、毎月心療内科へ通って担当医に書類を書いてもらう必要もあります。手間がかかり、病状が悪い間は申請書を書くのも苦痛でした…… そして大前提ですが、会社を休む・辞める理由が傷病ではない人はそもそもこの手当金を受け取ることはできないのでご注意ください。
肝心の「いくらもらえるのか?」という質問に対しては、「休業1日につき直近12ヵ月間の標準報酬月額平均額÷30×2/3相当額」が回答になります。
なんだかややこしくてピンと来ないかもしれませんが、わたしの場合は月収の3分の2くらいの額を毎月もらえていました。正確な金額を知りたい方は、個人の給与によって変わってくるのでご自身で計算してみてくださいね。
退職後にもらえるお金:失業手当(雇用保険)とは?
・積極的に働く意欲がある人(就労可能な人)が離職した後に、安定した暮らしを維持しながら就職活動を進められるよう給付される制度(※)
・自己都合退職の場合は、最長90日受けられる
・原則として、「退職日の翌日から1年間」が受給期間
・ただし、「傷病手当金を受給している人=就労不能=失業手当の対象外」のため、失業手当の受給開始を病気やけがの回復後に先送りすることが可能(ハローワークで「受給期間延長」の手続きが必要)
※つまり、「1日でも早く再就職できるように支援するために支給される手当」なので、受給するためには求職活動(就職相談・求人の応募・面接など)をすることが必須になります

休職期間満了による自動退職も「自己都合退職」に含まれます。わたしの場合もこれですね。受給期間の話がちょっとややこしいんですが、要するに、「傷病手当金を受けている間に退職した場合、手続きさえやってくれれば、働ける状態になってから失業手当を支給してあげるよ」ということです。
ここでも肝心の「いくらもらえるのか?」という質問に対しては、「賃金日額(退職前6ヵ月の総賃金÷180日)×50~80%」が回答になります。(ざっくり言うと退職前の月収の半分~8割程度)
前職の月収ベースであることは傷病手当金と変わらないのですが、失業手当の賃金日額は年齢区分ごとにその上限額が定められているため、傷病手当金よりも低くなることがあります。特に、高収入だった人ほどそうなりやすいです。わたしもそうなったのでちょっと焦りましたが、それでも普通に生活していく分には十分な額だと思います。
再記しますが、傷病を理由に休職・退職しない場合は傷病手当金は受け取れないので、失業手当+α(貯金など)で生活することになります。復職せずに退職したい場合、3ヵ月以内に休養と転職を並行して完了する必要があるので、あまり余裕がある状態とは言えません。診断は医師に委ねられますが、休職したい理由に何かしらの体調不良が見られる場合は、心療内科で診断書を書いてもらって傷病手当金を受け取ることをおすすめします。
手当制度を活用して安心して人生を立て直そう
今一度、わたしの無職タイムラインを再掲します。

こちらを見ていただければわかる通り、わたしは休職を開始してから、退職後も、次の会社の入社日まで、絶え間なく手当金を受け取っています。実家に戻って家賃が浮いたことと、趣味に充てられる貯金があったことも大きな要因ですが、金銭的余裕に最も寄与したのは手当金でした。
ちなみに……「遊ぶ余裕あるのに、傷病手当金を受けてニートするなんて!」と後ろ指を指したくなる気持ちもわかりますが、適応障害の寛解には「仕事から離れて好きなことをする」のが一番だとカウンセラーに指導され、それで実際に元気になったので、わたしは何も間違ったことはしていないと自信を持って言えますദ്ദി ( ᵔ ᴗ ᵔ )
受け取る権利のあるお金は受け取って、安心して休んで、ゆっくり自分のペースで人生を立て直しましょうね。
休職しても大丈夫な理由②:転職でキャリアに傷はつかない
「ブランクはキャリアの傷になる」と思っていませんか?実際にはそんなことはなく、頑張ってきた事実はしっかり評価されます。
「一度立ち止まってしまえばもう取り返しがつかないぞ」
わたしが辛かった日々の中で、毎日考えていたことです。
憧れの海外営業職に就いて駐在のチャンスを得るまで、立ち止まらずに努力してきた自負もあったので、休むことは「積み上げてきたもの全てを自分の手で壊して台無しにする行為」だと思っていました。強いハイパフォーマー以外は組織にいらない──そんな会社のカルチャーにもかなり影響されていたことは確かです。
とにかく、一度休んでしまえば二度と(転職しようがしまいが)同じポジションには戻れない確信があって、休職するのに相当な覚悟を要したし、休職後は「人生オワタ。もうどうにでもなれ~」というヤケクソモードに入っていました。
そんな夢も希望も失ったヤケクソ無職のわたしが転職活動を終えた今、あの日涙していた自分に言えることは……
あんたのキャリア、全然無事です(笑)
「下り坂の消耗戦」を進んでいたキャリアを、休職することで軌道修正できたので、損なわれたどころか、むしろプラスになったと言ってもいい。
というわけで、
わたしを追い詰めていた不安や恐怖は杞憂に終わった理由(休職・無職がキャリアを傷つけずに済んだ理由)
これについて話していきたいと思います。前置きがいつも長くて大変申し訳ないです。
キャリアブランクがあっても希望の仕事に就けた実体験
結果論ではあるのですが、条件に妥協せずに仕事の内定をもらえた実績が自分にあるからこそ、キャリアブランク(休職・無職)が次の仕事に与えた影響はほとんどなかったとはっきり言えます。
次の仕事がまだ決まっていない人から「休んで大丈夫だよ」と言われると、適当なことを言うんじゃないよ~!と思いませんか?わたし自身そうでしたが、周りの人から軽々しく「会社辞めれば?」と言われるのがとても苦手でした。心配してくれているとわかっていたんですけどね……(笑)
わたしもあなたの人生の責任を取ることはできませんが、少なくとも、約2年ニートをやっていた人間から「良い転職ができたよ」と聞けば、休職する安心感を少しは得られるのではないでしょうか?(そうであればいいなと思います)
わたしの新しい仕事は専門商社の営業職(正社員)です。前職と地続きのキャリアを描くことができそうな上、完全土日祝休みをキープできて、月収もアップ。また、残業時間も大幅に減らすことができそうです。
「キャリアブランクがあるから、希望の職種や待遇は諦めないといけない?」
全くそんなことはない!というのが、わたしの実感です。

ヤケクソモードになっていた少し前の自分にも教えてあげたいです……
がんばってきた実績は休職しても帳消しにならない
「一度でも休むとそれまで頑張ってきたことが帳消しになる」
滞納をした人間がクレジットカードのブラックリストに入るように、休職・離職をした人間は転職市場で「欠陥品」の烙印が押され、頑張ってきた実績は白紙になる──わたしは、そう思っていました。
しかし、実際そんなことは起きませんでした。
「そんな心配せんでも(笑)」と笑われそうな話なのですが、ソルジャーの心で仕事をしていたわたしは大真面目に、キャリアに傷がつくことを恐れていました。出世や昇進、市場価値の向上にこだわって仕事をがんばっている人であれば、共感する部分はあるのではないでしょうか(ˆ꒳ˆ;)
「休職・無職を経ても実績が白紙になることはなかった」とわたしが感じた理由……
それは「書類選考の通過率」です。
転職活動を始める際、担当のキャリアアドバイザーから「通常、書類選考の通過率は15%くらいだが、あなたの場合は(休職歴を開示して求人に応募する場合は)5%くらいまで落ちることを覚悟しておいてほしい」ということを言われました。

まぁそんなもんか……でもまぁ100社応募すれば5社は通過するってことね、と受け入れて求人にポチポチ応募しました。しかし、蓋を開けてみると
30社応募 → 5社通過(つまり通過率は16%)

あれ!?門前払いされる感じ、全然ないじゃないか!
いわば頑張ってきたことを並べた自分史とも言える職務経歴書を見て、「会ってみたい」と思ってくれる採用担当者が予想以上にいたことにとても驚き、そして嬉しく思いました。
面接では休職した理由について聞かれましたが、
・休職に至った理由の正当性
・休職していた間の過ごし方
これらをきちんと説明できれば、全く障害にならないと感じました。
休職歴・離職歴がある人間を忌避する企業はもちろん多いですが、頑張ってきた経験を評価してくれる企業も案外多いんだなと実感しました。
休職・離職歴があるからと言って、あなたの頑張ってきたことがなかったことにはならない。安心してくださいね。
ちなみに……面接に進んだ5社のうち、最終面接まで行ったのは4社(1社は辞退)。内定は2社からいただきました。わたしの職歴の営業カラーが強すぎたのでしょう。事務職の最終面接は全て落ちました(笑)
長く働きやすい環境を手に入れるチャンスになる
休職歴があってむしろ良かったと感じたことがあります。
それは、「体調不良を弱さ、体調管理を絶対責任とみなす会社」をふるいにかけられること。
言い換えれば、「不調も人間らしさとして理解する会社」を見つけられることです。
すでに少し触れましたが、わたしの前職はハイパーマッチョ企業でした。体調不良で仕事を休む連絡を入れると「お大事に」の言葉の代わりにお叱りが飛んでくる、そんな強者の世界です。
わたしは常々この強者の世界観を苦手に感じていました。人間なのだから体調を崩すことがあるのは仕方のないことだし、体調を崩した理由が仕事にあるのであれば100%その社員の自己責任とするのもおかしい(労災じゃないか…)。弱さを許さない組織よりも、弱さを受け止めて仲間でカバーし合える組織のほうが強く、誰もが長く働ける場所になり得るじゃないかというのがわたしの考えです。
さて、本題に戻りますが、休職歴を開示して転職活動を行うということは、わたしの前職のようなサイコパス強者集団をふるいにかけ、自分の人生から排除できるということになります。
マッチョカンパニーは、休職歴がある人間なんて絶対に採用しないですからね。

休職歴を知った上でこちらに興味を持ってくれた企業は、ひとまず強者カルチャー企業である線は低いので、自分らしく、人間らしく健全に働ける可能性があると考えても良いのでは?と思います。(選り好みしている余裕がない超人手不足の企業なら安心できませんが……)
実際に面接においても、企業側はわたしが休職に至った背景について理解を示し、長く働くためにサポートする姿勢を見せてくれました。
「長い目で見て働きやすい環境を手に入れられる」という点においては、休職歴があって良かったと感じました( ˘ᴗ˘ )
余談。興味本位で前職の口コミを転職サイトで覗いてみると「面接でいきなり応募者に『メンタル病んだことはあるか』聞いている」と書いてあって爆笑しました。面接で既往歴を聞くのはアウトです。
休職しても大丈夫な理由③:「会社に迷惑をかける」は勘違い
「休んだら会社に迷惑をかける」と悩む人は多いですが、会社は補充して回り続けます。本当に守るべきは自分自身です。
休職することで同僚に迷惑をかけてしまう
この罪悪感に後ろ髪を引かれ、休む決断ができない人はいるでしょう。
その気持ちはわたしもよくわかります。休職した当時、わたしは管理職ではなかったものの、赴任先で立ち上げたばかりの事務所ではそれなりに大きな責任とプレッシャーを負って仕事をしていたので、わたしが抜けてしまったら「わたしの仕事は誰がするんだ?」「駐在員を置くだけで大きな費用がかかるのに、仕事をしなければただのお荷物じゃないか?」「事務所の売上が立たずに現地のスタッフが解雇されたらどうする?家族がいる彼らの生活はどうなる?」と心配して自分を追い詰めていました。
しかし、結局はそれらすべての責任を放り出し、わたしは休職しました。
そして、どうなったか?──会社は潰れていないし、海外の事務所もまだある。わたしはあっさり駐在員の任を解かれ、きっとその欠員はさっさと補充されたことでしょう。
休職してから退職するまで、上司や同僚と話すことがなかったので知る由もないのですが、迷惑をかけたことは確かだと思います。
しかし、休職してから時間が経って冷静に思うことは、あの時迷惑をかけたとしても、
それって、本当に全部わたしが悪いの?
ということです。常軌を逸した労働をしていることも、体調がおかしいことも上司は知っていて、その異常を放置した。わたしが会社にもたらした「迷惑」は、そのツケを払ったということなんじゃないの?と思うわけです。
あなたがもしも今しんどい思いをしているとすれば、それは全てあなたの責任でしょうか?おそらく違うのではないかと思います。あなたを守ってくれない会社を、あなたが守る義理はない。あなたが抜けることで生じる「迷惑」の責任を、全てあなたに負わせる会社のほうがおかしい。わたしはそう思います。
それでも、自分を責めてしまう人は、わたしの経験を思い出してください。
わたしは立ち上げたばかりの駐在員事務所と、そこで働いている同僚を放り出して休みました。会社がすでに1年分支払っている社宅も空き家になりました。わたしの担当していた仕事は、すでに手一杯で残業三昧な同僚たちに強引に割り振られたことでしょう。
自慢することではないですが、わたし以上に迷惑かけた社会人ってなかなかいないと思いますよ(笑)
それでも会社はわたしがいなくても回っている。あなたの心優しさは、あなた自身と、あなたを幸せにしてくれる何かに使ってほしいなと思います。
休職しても大丈夫な理由④:自己受容と自己肯定感が育つ
休んだ時間は「何もしなくても価値がある」と気づくきっかけになりました。人生に正解はなく、100人いれば100通りの生き方があります。
何もしていなくても価値のあるわたし
自分の市場価値や生産性の向上に執着していたわたしが、海外営業職×駐在という華の自己成長ブースト街道から脱線し、生産性と対極にある深い穴に落ちてしまったわたしが「大丈夫」でいられた理由の1つに、自己肯定感の変容があったように思います。
「自分スゴい」と感じることが自己肯定感のイメージとして強いかもしれませんが、正確には「ありのままの自分に価値を感じること」が自己肯定感で、「自分スゴい」の感覚(自分の価値を能力や他人からの評価と紐づける)は自己効力感や自己有用感です。
わたしは長らく、本当の意味での自己肯定感が低く、自分に価値を感じるためには「自分スゴい」の感覚──能力や成果が必要でした。
適応障害になり、休職し、「何もしていない人」になったことで、わたしの自己効力感と自己有用感は地に落ちました。それでも、自己肯定感を少しずつ得られるようになり、何もしていなくても「大丈夫」と思えるようになったのは、第一に家族や友人の理解と愛情のおかげだと考えています。
幸いにも、家族や友人はわたしに一貫して何も言わないでくれて、いつも通り接してくれました。「次の仕事どうするの?」「いつから働くの?」「ずっと無職なんてヤバいよ」休職・無職のわたしにとって暴力的だったこういった言葉を使わず、「何もしていなくても変わらず大切なあなた」という見方を態度で示してくれていたように思います。わりと長い間「何をしていない人」で過ごしましたが、この期間があったおかげで、成果主義な価値観は緩やかに解かれ、わたしの自己肯定感は正常に戻っていったように感じています。父と母、親友たち、本当にありがとう(このブログを見ることはないでしょうけど(笑))
100人いれば100通りの正解なき人生
周りからのサポート以外からも、「人生にレールなんてないし、そこから脱線したなんて思わなくてもいい」と思えた経験をしました。
1つは、休職中にたくさん本を読んだことです。ジャンルは拘らず雑多に20冊以上読みましたが、自分の凝り固まった人生観を柔らかく解してくれるような、忘れられない1冊と出会うことができました(実際は何冊かありましたが)。
また別途記事が書けたらいいなと思いますが、今日は1冊だけ紹介します。
「ワンルームワンダーランド ひとり暮らし100人の生活」(佐藤 友理・落合 加依子(編))
一人暮らしの部屋について100人が1ページずつ書いたエッセイ集です。性別、年齢、職業、住んでいる場所……何もかもバラバラな、知らない人たちの人生と生活の一端。こだわりを込めた綺麗な部屋もあれば、理想に追いついていない状態の部屋もある。それらが直線的ではない、人それぞれの人生の一点に在ったこと、そして移ろいゆくことを否定も肯定もしないフラットな「生活の記録」は、わたしの心に不思議な平穏をもたらしました。
わたしは成功か失敗か、勝ちか負けかといった二元論的な物の見方を生き方全体に反映していて、理想通りではない状態に対して気持ち悪さ(「成功」「勝ち」に振り切っていない場所に立っている居心地の悪さ)を感じていました。
しかし、この本を通して、「成功」「勝ち」などの理想に振り切っていない状態の人とその生活が、ただ存在している事実を見つめ、それには良いも悪いも何もないということを感じたのです。不思議な安堵でした。
読書以外で人生観を見つめ直すきっかけがありました。
同窓会への参加です。
「無職で同窓会に行くなんて気まずすぎる」と思って躊躇したのですが、「お前が行くなら俺も行く」のスタンスを取っていた友人たちが1人また1人と「行く」と言い出したので、わたしも行くことになりました。
高校を卒業して以来、初めての同窓会……みんな一体どんな大人になったのだろうと楽しみ半分。残り半分は、劣等感を感じるかもしれないという不安(笑)
そして実際に参加した同窓会の感想を一言で表すなら
「人生博覧会」でした。
かつてのわたしのように海外で仕事をしている人、結婚した人、音楽家になった人、派遣で仕事をしている人、高校時代の印象と180°違う派手な髪になった人…… 当たり前ですが、みんなそれぞれの人生を生きていて、どんな生き方にも「良いも悪いもない」と思えたのです。
同級生たちに「わたし実は今無職で…」と話しても予想に反して「へぇ、そうなんやね」とフラットな反応が返ってきました。
100人いれば100通りの人生がある。正解はない。小学生でもわかる当たり前のことなのに、遠回りをして、自分のありのままの存在を肯定できた気がしました。
無職のときに実際に困ったこと【自己肯定感・焦り・浪費】
もちろん、良いことばかりではありません。無職の間に感じた孤独感や焦りについても、正直に書いておきます。
結果論として、そして、全体的に見て、わたしは休職・離職して「大丈夫だった」(むしろ良かった)と感じていますが、困ったこともあったので紹介しておこうと思います。
まずは要点だけ、サラッといきましょう!
・自己肯定感が揺らぎやすい
・ヤケクソモード(自暴自棄)になることもある
・焦ることもある
これまで休職経験により自己肯定感が身についた!という話をしてきたのに矛盾するようですが、どうしても自己肯定感が揺らいで傷つく場面は正直ありました。
「わたしは自分のペースで人生を立て直しているんだ」と自分では思っていても、世間からの無職への風当たりはどうしても強いものです。個人的には、SNSで「こどおば」という言葉を目にするたびに心がチクリとしました。
また、直接的・間接的にバッシングを受けていなくても、
・「仕事行ってくる~」や「今日は仕事休み!」など日常的に見る何気ない言葉から、当たり前に仕事を中心に回っている人々の姿を想像して勝手に疎外感を感じる
・コンビニで何かを買うとき、宅配を受け取るとき、カフェで料理が運ばれてくるとき……キリがないほど世界が誰かの仕事で回っていることを実感すると同時に、自分がどこにも属していない「世界の外にいる」ような孤独を感じる
など、感傷的な自分に呆れるほど、『仕事をしていない』という一点だけで自己肯定感が揺らぐ瞬間は多くありました。
また、自分の社会的ステータスが底辺であるという思い込みから、ヤケクソな気持ちになることも多かったです。加害などの危険行動に結びつくことはなかったものの、自堕落になったり、浪費したり、あまり未来を考えないような行動をしていました。わかりやすい実害でいうと、太りました。
金銭的な焦りは、傷病手当の受給から失業手当に切り替わったあたりで訪れました。先述した通り、失業手当を受け取れる期間は一般的に90日です。
「あと3ヵ月で完全に無収入になるのか……」という焦りはかなり大きかったです。
結果的に転職活動が1ヵ月足らずで終わり、生活資金のタイムリミットを迎えなかったので良かったのですが、焦って転職活動をすることがないよう、わたしのようにヤケクソで浪費しないことをおすすめします(笑)
キャリアブランクがあっても余裕で転職できた勝因
ブランクがあっても転職を成功させられた理由を振り返り、これからの転職活動に役立つポイントをまとめました。
わたしの転職活動は1ヵ月未満であっさり終結しました。わたしは余裕だったとはいえ、キャリアアドバイザーに言われた通り、キャリアブランクが転職に少なからず影響を与えることは事実なのだと思います。そのため、わたしの転職活動を振り返ってみて、何が「余裕でできた」勝因になったのか考えてみました。
① 休職した理由が正当であることが明らかだった
② 休職中に何をしていたのかちゃんと説明できた
③ 前職で実績をつくって職務経歴書に込める(がんばっていた事実をPRする)
④ Chat GPTの活用
① わたしの例で言うと「赴任先で残業が100時間超えていた」という休職理由は、採用担当の誰が聞いても「それは潰れて仕方ないよね」と納得できるものでした。ここで、人間関係の問題など、第三者から見て曖昧な理由だと、納得されなかったり、あなた自身の問題と見なされてしまうかもしれません。休職理由は明快で正当性があることは必要だと思います。
② わたしは休職中の過ごし方として、「療養に専念→20冊以上読書・自己分析→体調を崩した原因を明確にし、それを再発させない転職の軸を考える」というストーリーで何をしていたか説明しました(ストーリーと言っても事実ベースなんですが(笑))。「自堕落に遊んでいたんじゃないの?」という企業側の疑念を晴らしてあげる必要があります。
③ 職務経歴書を真剣に作りました。キャリアブランクがあっても、わたしが前職で死に物狂いでがんばっていたことは事実なので、それが採用担当者にちゃんと伝わるように実績を丁寧にカテゴライズして並べました。そのために、職務の棚卸も時間をかけてやりました。これは正直かなりしんどい作業ですが、あなたががんばっていたことを無駄にしないためにも、真剣に丁寧にやることをおすすめします。
④ Chat GPT(以下チャッピー)は課金して使い倒しましょう。書類の添削、自己分析、企業・業界研究、面接のスクリプト作成など、転職準備の全てを効率的に進める最強ツールと言っても過言ではないと思います。わたしは数年前に1度転職していますが、その時チャッピーはまだ存在していませんでした。昔と今回の転職を比べて、各段に楽に、そして質を上げてくれたのはコイツに他なりません(笑)
頑張り屋さんのあなたへ:休んでも大丈夫、転職はできる
この記事の結論です。休むことは悪いことではありません。人生を気楽に楽しむためのメッセージをお届けします。
さて、ここで今一度、休職するときに考えてしまう不安要素を見てみましょう。
「収入ゼロでは生きていけない」
「キャリアに傷がつきそう」
「会社に迷惑をかけてしまう」
金銭面の不安に関しては、傷病手当金と失業手当金などの制度があるから大丈夫です。家賃を浮かせるための実家とある程度の貯金があればなお良いです。
キャリア面の不安に関しては、あなたががんばってきたことは、ブランクごときで帳消しになることはないので大丈夫です。がんばってきたことが企業にしっかり伝わるよう、職務経歴書は丁寧に作りましょう。休職経験があるからこそ、長い目で見て働きやすい環境を手に入れやすくなるとわたしは考えています。
会社にかかる迷惑が気になるという不安については、あなたを休職に追い込んだ会社にも責任があるので、あなたがそこまで気に病む義理はないと考えましょう。また、厳しい考え方かもしれませんが、あなたが抜けても会社は欠員を補充して回り続けます。
あなたの人生なのだから、あなたが好きなようにして大丈夫。
休む必要があるなら休めばいい。
仕事をしていないことや、仕事をしなかった期間があなたの価値に傷をつけることはない。
約2年の空白を経ても、あっさりと良い転職ができたわたしだからこそ言えることです。
人生、気楽に楽しみましょうね(^º◡º^)

最後までお読みいただきありがとうございました!
SNSでの共有やコメントなどいただけたら嬉しいです^^
コメント